小説

パウロ・コエーリョ「アルケミスト 夢を旅した少年」の感想レビュー ただの小説ではない、人生観を考えさせられる哲学書

yuu(ゆう)

今回の書籍感想・レビューは、パウロ・コエーリョ作の「アルケミスト 夢を旅した少年」です。

この作品は、ブラジル人作家のパウロ・コエーリョが1988年に発表したもので、全世界で3000万部を突破した大ヒット作です。各界の著名人も愛読書としてイチオシするほど、小説としてだけでなく哲学的な人生観の凝縮された一冊です。

パウロ・コエーリョ「アルケミスト 夢を旅した少年」のあらすじ

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて-。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」少年は錬金術師の導きと、さまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んでいく。世界中の人々の人生に大きな影響を与えてきた夢と勇気の物語。

「アルケミスト 夢を旅した少年」の書籍情報

著 者パウロ・コエーリョ
発行日1997年2月
発行元角川書店
ジャンルファンタジー
著者のその他作品星の巡礼、ベロニカは死ぬことにしたetc               

『アルケミスト 夢を旅した少年』はAmazonAudibleでも聴くことができます。
\AmazonAudibleの無料体験はこちら/

AmazonAudible公式サイト

※2021年6月29日までAmazonPrime会員の方は3ヶ月間の無料体験が可能です。

パウロ・コエーリョ「アルケミスト 夢を旅した少年」を読んだ感想とレビュー

この小説は、ただのファンタジー小説として読むにはもったいない。それくらい人生哲学、教えの凝縮された1冊です。

夢を追いかける少年の物語

羊飼いの少年サンチャゴは旅をして、まだ見たことのない世界をこの目で見たかった。

サンチャゴはエジプトに行きたかった。

夢で見た、ピラミッドとそこにある宝物を探しに。

そこへ、王と名乗る老人が現れる。

老人はサンチャゴのことを何でも知っていた。

「前兆に従って行きなさい」

サンチャゴは老人の言う通り、夢に見た地を目指し始める。

夢を追うものに、幸運の前兆は訪れる。夢を追いかけることはとてもエネルギーが要ることです。人は途中でそのエネルギーを失ってしまい、自分には無理だと決めつけてしまいます。

誰しも、夢を追うことは素敵なことだと思っているでしょうし、どこかで夢を追うことが人間の本質だと感じているのではないかと思います。だから、テレビや音楽の世界で成功している人たちを魅力的に感じるし、そこから得られる勇気があるんだろうと。

夢を追うことに素直になることから始めてみよう。

旅の中で出会う様々な人達

サンチャゴは、エジプトまでの旅路の中で、様々な人との出会いを経験します。

自分の夢よりも、周囲の目を気にしてしまったパン屋の主人

現状を変えることを拒み、新たな挑戦を恐れたクリスタル商人

知識に固執し、本質を考えることができなかったイギリス人

サンチャゴは様々な人物との出会い・経験の中から、少しずつ学びを成長を得て行きます。

素直な少年と旅路で出会う固定概念を持った大人たち。サンチャゴは、大人たちに疑問を持ちながらも、本質を知り、前兆を見極める力をつけて行きます。そして、純粋な心を持ったサンチャゴの発想が、出会う大人たちの現状までをも変えて行きます。

大人になると様々なしがらみが、チャンスを潰して行きます。お金がないからできないとか、時間がないからできないとか、夢に対してできない理由が付き纏います。

視点を変えて考えれば、出来る方法はいくらでもあるはず。難しいことを考えずに、シンプルにやってみる姿勢を身につけることの大切さを、説かれているように感じます。

この本から学べること

人生の主役はいつも自分

自分の人生の主役は自分以外にあり得ません。意識する機会が少ないだけです。自分が主役なんですから、少しくらい自分に正直に生きましょう。

そのためには・・・
  • 自分の心を知ること
    自分がどんなことにワクワクして、どんなことで傷つきやすく、どんなことが嫌なのかを知ること。
  • 自分の欲を知ること。
    欲があることは生きている証拠。
    心の欲を無理に抑え込もうとせず、理解をする努力をすること。
  • 自分の可能性を潰すのは自分であると理解する
    自分自身の可能性を潰してしまうのは、自分自身です。
    他人から何を言われようと、どんな状況に陥ろうと、最終的に投げ出してしまうのは自分自身であることを理解する。

前兆に従うこと

物事は因果応報。どんな事象にも原因と結果が存在します。何かの前兆には、その瞬間に気づくことは難しく、大抵の場合は結果が生じたのちに、前兆があったことに気づきます。そしてそれは多くの場合後悔という形でやってきます。

そうならないために・・・
  • 本質を見ること
    自分の見たいように世の中を見ないようにする。
    自分に都合の良い解釈をしないこと。
    この意識付けが本質の見落としを防ぎます。常に、自分の考えや解釈が正しいのか、自問自答することが重要。
  • 道理を知ること
    今を作っているのは過去であり、未来を作るのは今であることを理解する。
    今を大切に思うことで、これまで見えなかったことが見えてくるようになる。

夢を見ること

大人になるにつれて、夢と現実の垣根がわからなくなります。子供のような漠然とした素直な夢を持つことは難しい。それでも、自分の夢や目標を明確にすることで、人生は一変、好転していく。

夢を持つことについて
  • 夢はいつでも人に生きる原動力を与える
    目標のある人は、いつでもエネルギーに満ち溢れて見えます。
    夢を見ること(持つこと)は人生を豊にするための燃料になります。
  • 夢はいつでも実行できる
    大人になると夢を実現させる力を失ってしまいがちです。
    その気になれば、形にできる夢でも固定概念に囚われて、夢への努力を怠ってしまいがちです。
    例えば、プロ野球選手になりたかった30代のサラリーマン。ここから、プロ野球球団入りは難しいかもしれませんが、マスターズだったら?
    努力次第で、世界の舞台に立てるチャンスはあります。
    未来を作るのは今からですから。
  • 夢を追うものは前兆に気づくことができる
    夢を追うことは、必然的に努力を伴います。
    夢は人生にエネルギーを与えてくれ、それは努力の源になります。
    人は努力することで成長します。
    成長すると思考が変わります。努力をすると行動が変わります。そういった中で、重要な気づきを得ていくことができます。
    夢を追わないものには、この変化も気づきも起きません。前兆に気付き、前兆に従うということは、そういうことです。

まとめ

「アルケミスト 夢を旅した少年」は、読者に希望を与えてくれる作品です。

物事をシンプルに考えること。
本質を見抜く力をつけること。

夢を持つこと。
夢を持つことに早いも遅いもないこと。

自分を見つめること。
自分に正直でいること。

物語の主人公サンチャゴと、そこで出会う人達の葛藤と変化を通して、人生の本質を学ぶことができます。

小説として読むにはシンプルなファンタジーですが、哲学書として捉えて読むと、非常に奥が深く、一度読んだだけでこの本の本質を理解することはなかなか難しいです。

故に、世界の著名人たちが愛読書として、この本を薦めているのだろうと思います。

是非人生のバイブルの一冊として、この本を本棚に加えることをおすすめします。

今回のレビューは以上です。

番外編 「アルケミスト 夢を旅した少年」を愛読書として公表している著名人

オバマ元大統領|ウィル・スミス|ブリトニー・スピアーズ|マドンナ|オプラ・ウィンフリー|ラッセル・クロウ|ビル・クリントン|ジュリア・ロバーツ|ルイス・ハミルトン|森山未來|戸田恵梨香|中山美穂|元JUDY AND MARYのTAKUYA|サカナクション山口一郎|ほか多数。

Amazon商品ページより

『アルケミスト 夢を旅した少年』はAmazonAudibleでも聴くことができます。
\AmazonAudibleの無料体験はこちら/

AmazonAudible公式サイト

※2021年6月29日までAmazonPrime会員の方は3ヶ月間の無料体験が可能です。

ABOUT ME
記事URLをコピーしました