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映画『LEON(レオン)』のレビューと解説(ネタバレ有り) 異色の二人を結びつけたこの愛の行方は?

yuu(ゆう)

こんにちは。
yuu(@yu_yu211)です。

今回は、映画『LEON(レオン)』についてご紹介します。
1994年にフランス・アメリカで、1995年に日本で公開された名作映画です。

孤独な殺し屋レオンと家族を殺された幼い少女の愛と哀しみに満ちた物語です。

『LEON(レオン)』の作品情報

公開 1994年
監督 リュック・ベッソン
脚本 リュック・ベッソン
出演 ジャン・レノ|ナタリー・ポートマン|ゲイリー・オールドマン
上映時間 133分
関連作品 リュック・ベッソン監督作品
ニキータ|LUCY|
おすすめ度 [jinstar4.5 color=”#ffc32c” size=”16px”]

『LEON(レオン)』の簡単なあらすじ

ニューヨークの片隅に立つアパートに暮らす、寡黙で孤独な男レオン(ジャン・レノ)。その正体はすご腕の殺し屋で、トニー(ダニー・アイエロ)という男の仲介を経て暗殺を行っていた。そんなある日、彼の隣室に暮らす一家をスタンフィールド(ゲイリー・オールドマン)とその部下たちが惨殺する。たまたま外出していた12歳になる一家の娘マチルダ(ナタリー・ポートマン)は、異変を感じてレオンの部屋へ向かって救いを求める。彼女をかくまったレオンは、そのまま一緒に生活を送ることになり……。

シネマトゥデイより

神話の法則(ヒーローズジャーニー)でみる『LEON(レオン)』のストーリー展開

映画『LEON(レオン)』のストーリー展開について、シナリオの王道法則とも言われる、神話の法則(ヒーローズジャーニー)にあてはめてみていきます。

神話の法則ってなに?という方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

https://number-369.com/movie-theory-heroesandthemonomyth/

それでは、神話の法則(ヒーロズジャーニー)に当てはめて、映画『LEON(レオン)』のストーリー展開をみていきます。

ここからはネタバレを含むので、一度試聴してからストーリーの要点や考察を読んでいただくことをおすすめします。

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第一幕

日常生活|殺し屋レオン

レオンはプロの殺し屋。
イタリアンレストランを経営するトニーの裏稼業として仕事の依頼を受けている。

冒険への誘い|マチルダの悲劇

レオンが部屋へ戻ると、隣に住む少女マチルダと出会う。
マチルダの父は麻薬の運び屋で、麻薬の横領に気づいたマフィアは、マチルダの家に乗り込み一家を殺害してしまう。
レオンのお遣いで留守にしていたマチルダだけが、レオンに匿われ生き残った。

冒険の拒否|復讐を決意

弟を殺された復讐を誓ったマチルダは、レオンから殺しの技術を教わろうとするが、レオンは渋る。
その夜、レオンはマチルダを撃ち殺そうとするが、躊躇し思いとどまる。

賢者との出会い|マチルダの覚悟

翌朝、マチルダは改めてレオンを説得する。
レオンには殺し屋になるのは無理だと言われ受け入れてもらえない。
マチルダは銃を手に取り窓の外に発砲する。

戸口の通過|レオンとマチルダ

マチルダの発砲により部屋に住むことができなくなったレオンは、大切な鉢植えとマチルダと共にホテル暮らしを始めた。

第二幕

試練、仲間、敵|特訓

レオンはマチルダのために初級者向けのライフルをトニーから入手する。
レオンとマチルダは暮らしを共にしながら、時間が経過していく。
レオンはマチルダに殺し屋としてのスキルを教え、マチルダは文字の書けないレオンに読み書きを教えた。

もっとも危険な場所への接近|犯人特定

レオンは仕事に行ってくると言ってホテルを後にした。
レオンが外に出た隙に、マチルダは家族が殺されたアパートに忍び込む。
するとそこに捜査官たちがやってくる。
来たのは家族を殺した男だった。
尾行したマチルダは、男が麻薬取締局の捜査官であることを知る。

最大の試練|潜入

レオンとマチルダは初めて2人で依頼の遂行に向かう。
レオンはマチルダに指導しながら、数々の依頼を2人でこなしていく。
ある日マチルダは一人でスタンスフィールド捜査官へ復讐するために、警察内部へ忍び込む。
あとを追ってトイレに入ったマチルダ、そこにはスタンスフィールド捜査官が待ち構えていた。

報酬|マチルダを救出

オフィスに拘束されたマチルダの元にレオンがやってきて、マチルダを救出する。

第三幕

帰路|レオンの過去

マチルダを救出し、無事家に帰った二人。
そこでレオンは自分が殺し屋になった経緯をマチルダに語る。
誕生日パーティーを楽しむトニーの元にレオンの居場所を求めてスタンスフィールドがやってきた。

復活|突入部隊との激闘

買い物から帰ったマチルダは、廊下でレオンに報復するため、スタンスフィールドが手配した警察の特殊部隊に拘束される。
特殊部隊員を一掃したレオンは、マチルダを救出した。
レオンは、トニーの店で落ち合う約束をし、換気ダクトからマチルダを逃す。
レオンは負傷した特殊部隊員を装って、建物から脱出するが、もう少しのところで背後からスタンスフィールドに撃たれてしまう。
レオンは手榴弾のピンを抜いてスタンスフィールドを道連れにする。
「あんたに贈り物だ、マチルダからの」と言って。

宝を持っての帰還|一人になったマチルダ

トニーの店で哀しみに暮れるマチルダ。
哀しみに暮れたままマチルダは店を追い出されてしまう。
元々通っていた学校に戻ったマチルダは、レオンがたった一つ残した植木を校庭に植えた。

映画『LEON(レオン)』の考察と解説

それでは、映画『LEON(レオン)』に関する考察を解説を交えながら紹介していきます。

元々製作される予定ではなかった『LEON(レオン)』

映画『LEON(レオン)』は今でこそ名作として名高いリュック・ベッソン監督の代表作ですが、元々『LEON(レオン)』という映画は製作される予定ではなかった映画なんです。

そもそもリュック・ベッソン監督が撮りたかったのは、『フィフス・エレメント』。
しかしSF映画の撮影にはお金がかかり、『フィフス・エレメント』を撮るための予算がありませんでした。

そこで考えたのが、低コストで別の作品を撮り、その興行収入を『フィフス・エレメント』の撮影予算に充てようということ。

そんな背景で生まれた『LEON(レオン)』という映画は、リュック・ベッソン監督のハリウッド初監督作品でありながら、想像以上の大ヒットを記録する名作映画となりました。

ちなみに『フィフス・エレメント』予算確保のために製作された『LEON(レオン)』はかなりの突貫撮影で作成されている映画です。
脚本も2日で完成した作品であるということも有名な話です。

キャストに関しても、当初さまざまな案があったようですが、製作期間の都合からか、ジャン・レノとナタリー・ポートマンにより演じられることになりました。
ナタリー・ポートマンにとってはこれが映画デビュー作でしたが、今となってはこの二人のキャスティングだったからこそ、ここまで魅力的な作品に仕上がったと言っても良い程です。

ジャン・レノはリュック・ベッソン監督作品で、女性の殺し屋を描いた『ニキータ』にも帽子にサングラスにロングコートという出立ちで、殺し屋として登場します。

レオンとマチルダの心を描いた物語

映画『LEON(レオン)』は殺し屋が悪人を華麗に始末していく爽快感あふれる映画でもなければ、冷酷な殺し屋が恋に落ちて自分を見失っていくようなラブロマンス映画でもありません。

映画で終始描かれているのは、レオンとマチルダの心模様。

19歳だったレオンは昔付き合っていた彼女が彼女の父親から殺されたことをきっかけに、復讐に燃えて彼女のお父さんを殺してしまう。
そこからレオンはアメリカに逃げるようにやってきて、殺し屋として心を閉ざしたまま生きてきました。

映画の冒頭で登場するレオンは無表情で冷酷。
心を殺したまま生き続けているのがレオンです。

しかしそんなレオンの人間的な優しさを表現したシーンが冒頭からラストまで終始登場します。
ただ1つの鉢植えを、レオンは大切そうに手入れし、終盤のシーンでは突入してきた特殊部隊の銃弾に襲われながらも、大切な鉢植えを守るシーンが描かれています。

そんなレオンはマチルダとの出会いを通して変化していきます。

中盤に差し掛かるにつれて描かれるコミカルなシーン、レオンの笑顔。
レオンとマチルダは互いに心を開いていきます。

二人の間にあったものは「恋」なのか

映画『LEON(レオン)』を考察するにおいて欠かせないのは、レオンとマチルダの間には恋愛感情があったのか?

という疑問です。

マチルダはレオンに対し直接的に恋愛感情をぶつけるような発言をしています。
一方でレオンはそんなマチルダを諭すような発言が目立つ。

しかし、劇中でのレオンの表情はどこかマチルダに恋をしているようにも見えます。
さまざまな描写で描かれている二人の関係性ですが、確かに言えることは二人の間に存在した感情は「恋」ではなく「純粋な愛」であるということ。

ここにはレオンとマチルダそれぞれの過去が関係してきます。
二人は似たもの同士なんです。

心を閉ざしていたレオンとマチルダ

19歳だったレオンは愛していた彼女の父親を殺してアメリカにやってきています。
そこからレオンは心を閉し続け、殺し屋として仕事をしてきました。

一方マチルダも、素行の悪さから学校に預けられ、次第に自分の心を閉ざしてしまいました。
序盤でマチルダがタバコを吸っているシーンや、学校からの電話に母親を装って応答したシーンでマチルダの心境が映し出されています。
学校からの電話に出たマチルダは、母親を装い、「あの子は死にました」と言います。

このシーンから、マチルダが現実に対して心を閉ざし、自分を死んだのと同じ存在であると認識していることがわかります。

子供のような大人、大人のような子供

レオンは文字が書けない。
そして殺し屋という職種からか、世間に溶け込むことができていません。
それは、マチルダとともにホテルにチェックインするシーンなどで明確に描かれています。
いい歳したおじさんが、ホテルにチェックインもできない。

大人なのに子供のように何もできない。
レオンはそんなおじさんです。

一方でマチルダは、
斜に構えていて、どこか世の中に呆れたような態度を示しています。
レオンに恋に落ちたと言ってみたり、初体験を迫ったり、タバコを吸ってみたり。
大人びて見えるマチルダは、実は大人になるために背伸びをしたがっている少女です。

ホテルでレオンとモノマネ遊びをしているマチルダは子供そのものです。
マチルダは、大人ぶっている少女なんです。

そんなマチルダから想像できるのは、レオンに対する行動や感情は「恋」ではなく、自分が大人になるために背伸びをしたいという気持ちからくるものだということです。

複雑な「愛」の表現

殺し屋と少女という異色の組み合わせで描く「愛」が複雑でないわけがありませんね。
極端な対比の中で描かれている二人の感情は「恋」のようでもあり「愛」のようでもある。

『LEON(レオン)』の中では、さまざまな「愛」の表現がされています。

「男女愛」「師弟愛」「親子愛」それぞれを連想させるようなシーンが登場します。

さまざまな描かれ方がされている二人の関係性ですが、間違いなく二人の間に存在するのは異性間の愛ではなく、親子愛に近いようなものではないでしょうか。

さいごに

映画『LEON(レオン)』は個人的に見た映画の中でもかなり上位に入る作品です。

それが別映画の予算確保のために突貫で作られた映画と知ったときは驚きです。

それでもこれだけの魅力を誇る作品の裏には、リュック・ベッソン監督のセンスが光ります。

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