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映画『デジャヴ』の感想と解説 過去を救うために現在を奔走する男の話【ネタバレ有】

yuu(ゆう)

こんにちは。
yuu(@yu_yu211)です。

今回は、映画『デジャヴ』について紹介していきます。
2006年に公開されたデンゼル・ワシントン主演の映画です。
見た感想はまさにデジャヴ!

近未来的なテクノロジーにより過去を覗き見ることができるマシンを駆使して、事件の真相を探っていくSF要素を含んだアクションサスペンス映画です。

『デジャヴ』の作品情報

公開 2006年
監督 トニー・スコット
脚本 テリー・ロッシオ、ビル・マーシリイ
出演 デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン、ヴァル・キルマー、ジム・カヴィーゼル
上映時間 127分
関連作品 トニー・スコット監督作品
トップガン、ビバリーヒルズ・コップ2、マイ・ボディガード、
アンストッパブル
おすすめ度 [jinstar4.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

『デジャヴ』の簡単なあらすじ

543名もの犠牲者を出した、凄惨なフェリー爆破事件。捜査官ダグは、手がかりを握る一人の女性の遺体を見た瞬間、強烈な“デジャヴ”に襲われた―「私は、彼女を知っている・・・」。彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した【タイム・ウィンドウ】と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から《4日と6時間前》の映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった!まるで生きているかのように美しい彼女の姿を見続けるうちに、ダグは再びデジャヴを感じ、さらに「彼女を救いたい」と強く願うようになる・・・。やがて、《4日と6時間前》の過去と現在をめぐる《驚愕の真実》が明かされる。果たして、彼は“すでに殺されている女性”を救い出し、“すでに起こってしまった爆破事件”を防ぐことができるのか?―その答えは、“デジャヴ”に隠されている・・・。

神話の法則(ヒーローズジャーニー)で見る『デジャヴ』のストーリー展開

映画『デジャヴ』のストーリー展開について、シナリオの王道法則とも言われる、神話の法則(ヒーローズジャーニー)に当てはめて見ていきます。

神話の法則とはなんぞやという方は、こちらの記事に詳しく解説しています。

面白ストーリーの裏に隠された王道法則『ヒーローズジャーニー』と『神話の法則』

それでは、神話の法則に当てはめて、映画『デジャヴ』のストーリーの流れを見ていきます。

ここからはネタバレを含みますので、視聴してからストーリーの要点や考察を見ていくことをおすすめします。
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第一幕

© TOUCHSTONE PICTURES AND JERRY BRUCKHEIMER, INC., ALL RIGHTS RESERVED

日常世界|事件勃発

ニューオーリンズのミシシッピー川を渡るフェリーで爆発事件が発生。
捜査官のダグ・カーリンが川岸で爆弾の破片を発見したことから、この事件はテロであると断定された。

冒険への誘い|謎のメッセージ

ダグは保安官からクレアという女性の水死体の発見の報告を受ける。
彼女の自宅を訪れたダグは、部屋のあちこちに残された血痕や壁に書かれた「お前は彼女を救える」というメッセージを発見する。
さらに、留守番電話のメッセージには、身に覚えのないダグ自身からのメッセージが残されていた。

冒険の拒否|身近な犠牲者

捜査本部に戻ったダグは、相棒であるラリーも事件の犠牲になっていたことを知る。

賢者との出会い|白雪姫の登場

FBI捜査官に有能さを認められたダグは、新しい捜査チームへの協力を求められる。
その捜査は、白雪姫と名付けられたシステムを駆使した捜査だった。
白雪姫は、人工衛星や街中の監視カメラから得た情報を統合してデジタル映像を再現し、タイム・ウィンドウを通して見ることができるのだという。
その映像を駆使して事件発生4日前の映像から見て、捜査の手がかりを掴もうということだった。

戸口の通過|捜査開始

ダグが白雪姫を使って調べる対象に選んだのはクレアの家だった。
ダグはクレアを監視するうちに彼女に惹かれていく。
映像で見るクレアは、誰かの視線に怯えている。
ダグはもしかして自分たちの視線をクレアが感じているのではないかと思った。

第二幕

© TOUCHSTONE PICTURES AND JERRY BRUCKHEIMER, INC., ALL RIGHTS RESERVED

試練、仲間、敵|爆弾犯

監視を続けていたダグは、レストランで働くクレアの元に何者かからの電話があったことに気づく。
爆弾犯からの接触で、犯人は犯行用の車を調達するためにクレアに接触していたのだった。
犯人がクレアに電話していた公衆電話の特定から、犯人の姿が明らかになる。

もっとも危険な場所への接近|白雪姫の真実・警告

タイム・ウィンドウに映し出される映像の違和感から、単なる過去を映し出した再現映像ではなく、過去をリアルタイムで映し出したタイムマシンの一種だと確信する。
関係者を問いと出したダグは、過去の自分に犯行を防ぐように警告文を送らせた。
しかし、過去のダグは文章に気づくことはなく、代わりに見つけたのが相棒であるラリーだった。

最大の試練|犯人との接触

ダグは映像の監視を続けていた。
すると犯人がフェリーに乗り込もうとしたその時、相棒のラリーがやってきた。
ラリーは犯人を拘束しようとしたものの、反撃を受け拉致されてしまう。
この映像から犯人の身元が特定され、犯人は逮捕された。

報酬|事件解決

捕まった犯人は、犯行を自白した。
無事に犯人を逮捕し、捜査の打ち切りが決定された。
しかしダグは白雪姫を使えばクレアを救うことができるのではないかと考える。

第三幕

© TOUCHSTONE PICTURES AND JERRY BRUCKHEIMER, INC., ALL RIGHTS RESERVED

帰路|過去へ

ダグは白雪姫の開発者である博士を説得し、システムを使って過去へ向かう算段を企てる。
ダグはクレアが殺害される一歩手前で救出に成功したが、爆弾犯は逃走してしまった。

復活|最後の救出劇

クレアの部屋に立ち寄り、怪我の手当をするダグ。
手当の際に落ちた血痕は、クレアの家を捜査した際の状況と全く同じものになっていた。
まだクレアが殺される可能性が残っていると思ったダグは、クレアと共にフェリー乗り場へと向かう。
爆弾犯は銃を乱射し暴れた結果射殺されたが、クレアはフェリー乗り場で爆弾犯に捕まり、爆弾を積んだ車に拘束されてしまっていた。
ダグは救助のために車に飛び乗り、爆発の被害を防ぐために車ごと川へ飛び込んだ。
ダグはなんとかクレアを逃したものの、ダグを車内に残したまま爆弾は爆発してしまった。

宝を持っての帰還|再会

ダグはクレアとフェリーの乗客の命を救った。
救出され、川岸に辿り着いたクレアは呆然としている。
そこに現在の時間軸のダグがやってきた。

映画『デジャヴ』の考察と解説

それでは映画『デジャヴ』に関する考察を解説を交えながら紹介していきます。

『デジャヴ』における時間の概念

『デジャヴ』では白雪姫のシステムを駆使した捜査の中で、ダグがタイムウィンドウを通してみている世界は、単なる過去の映像の記録ではなく、過去そのものを覗き見ていることを知ります。
そして、タイムウィンドウに映し出されたクレアに向けてレーザーポインターの光を照射したところ反応があったことから、現在から過去に干渉することが可能であると確証します。
物語の中盤以降では、博士を問いただしてダグ自身が過去にタイムスリップしてクレアを救出するという展開に発展していきます。

『デジャヴ』における過去と現在の取り扱いについてご紹介します。

ダグが過去に戻ることで過去が変わってしまうわけです。
過去と現在が一本の線のように繋がっていた場合、フェリーの爆破事件を未然に防ぐことに成功すると、現在においてフェリー爆破事件が発生してダグが過去へ向かっているということ自体に矛盾が生じます。
(そもそも爆破事件が起きないことになるので、現在で爆破事件が発生してしまっている事実は存在しないはず)

このパラドックスを生じさせない設定として、『デジャヴ』においては、現在は過去から分岐した複数の未来のうちの一つでしかないという設定になっています。
これによって、ダグが過去に戻ってフェリー爆破事件を止めた場合、事件が発生する未来ではなく、事件が発生しなかった未来への分岐が発生することになります。

実際、作中では過去が変わった場合は分岐した並行世界に移行し今の未来は存在しなくなるとだけ言われているので、厳密には可能性の域を脱していないことになります。

ダグは何度か過去に遡っている?

クレアの自宅の捜索をしているシーンで、ダグは注意して捜索をしているはずにもかかわらず、後に鑑識からダグの指紋がクレアの家中に残されていたことが告げられます。
また、クレアの家の電話に、ダグからの留守電も残されており、映画で描かれている現在の時点で、未来から遡ってきたダグが存在していたということになります。
そこからさらにダグがタイムスリップして過去へ行くので、最低でも2回はタイムスリップをしていることになりますね。

タイムスリップしているダグは現在のダグなので、当然未来の記憶はありません。
なので、未来からタイムスリップしてきたダグは過去においてはかなり曖昧な存在であるとも言えます。
このあたりの曖昧さが「デジャヴ」という言葉をより印象づけているように感じました。

デジャヴを印象付ける描写

作品タイトルが『デジャヴ』と題されているだけあって、作中の序盤とクライマックスではそれぞれを対比させるようなシーンが目立ちます。

一番わかりやすいのは、フェリーに搭乗していた家族を心配する老夫婦でしょうか。
最後に過去のダグが登場するシーンもまさにデジャヴです。

さいごに

この映画はいわゆるタイムスリップものなんですが、実際にタイムスリップするのはクライマックスが近づいてからです。
それまでは、現実世界で過去を追いかけるという他の映画にはあまりみられない設定で話が進んでいきます。

タイムスリップものの醍醐味といえばタイムパラドックスだったり、過去に干渉したことによって書き変わった未来に悩む主人公だったりしますが、この映画では全く違ったアプローチで描いているので面白いと感じます。

一度見ただけでは気づけないような設定や描写があるので、2回3回と見て楽しめる映画です。

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