仕事の悩み

今の若者はメンタルが弱いのか? 統計と時代背景から見た考察

yuu(ゆう)

今の若い人はメンタルが弱い。仕事上はよく聞く話ではないでしょうか。

私も上司から、「今の若い人は精神的にすぐ潰れるから扱い方が難しい」と言われたことがあります。

果たして、今の20代〜30代の若い世代はメンタルが弱いのでしょうか?

時代背景や統計データに基づいて考えていきます。

考察方法について

今回の検討は、

若い人はストレスを感じやすいのか?

若い人はうつ病などの疾患を抱えやすいのか?

世代ごとの時代背景や考え方の特徴

の観点から考えてみます。

ここでは、若者の定義を20歳程度から35歳未満として考えてみます。

参考とする資料

公益社団法人全国労働衛生団体連合会
「令和元年全衛連ストレスチェックサービス実施結果報告書」

厚生労働省2017年患者調査

ストレスチェックテストの統計結果

公益社団法人全国労働衛生団体連合会にて実施したストレスチェックサービスの結果報告書「令和元年全衛連ストレスチェックサービス実施結果報告書」の情報をもとに、高ストレスと判定された人の割合を見ていきます。

データの数

今回の考察のもとにするデータは、令和元年1月〜12月で実施したストレスチェックテストの結果をまとめたものです。

受検者の年代別構成(n=1,539,225)

これは、ストレスチェックテストを受検した1,539,225人分のデータをもとにまとめられたものです。受検者の男女比は、男性62%、女性38%です。

受検者の男女別構成

余談ですが、ストレスチェックテストは、従業員数50名以上の企業に対しては義務化されています。

ストレスチェックテストの結果

ストレスチェックの結果、高ストレス状態にありと判定されたのは、227,465人でした。割合にすると14.8%です。大体100人のうち6〜7人が高ストレス状態ということですね。

これは、年々増加傾向にあるとのことです。

男女比では、男性の方が女性よりも約3.5%、高ストレス状態と判定された人が多く、年代別では、20代、30代、40代が平均値より高ストレス判定使者の割合が平均値よりも高い結果となりました。

職位別で見ると、管理職よりも一般職の高ストレス割合が高い傾向が見られました。

高ストレス判定の割合が全体平均の14.8%よりも高いとはいえ、50代の高ストレス判定者の割合も、男性で14.1%なので、年齢ごとの極端な差は見られません。

60代は男性で7.0%と他の年代と比較して半分以下となっていますが、年功序列制度がまだ根強い日本の企業では、60代の人では高位の役職者の割合も多いことが想定されるので、職位別の割合の差があらわれているものと考えられます。

患者調査より 気分障害を抱える人の割合

厚生労働省で実施した2017年患者調査の結果から、気分障害を抱える患者の統計情報をもとに考えていきます。

気分障害(うつ病等)の総患者数

総患者数とは、厚労省の実施した調査日時点において、継続的に治療を受けている人を合計した人数です。

気分障害を抱えている患者数は、全体総数で1,276,000人いるという統計結果です。そのうち、男性は495,000人、女性は781,000人です。

一般的にうつ病は男性よりも女性がかかる割合が多いとされています。

次は、年代別の数字を見ていきます。

年代別の推計患者数

推計患者数とは、調査日当日に医療機関を受診した患者数を推定した人数です。

下記の表に年代別の人数/日と年代別人口、推計患者数の割合を示しているのでご参照ください。

厚労省の年代振り分け上、35歳〜64歳の部分は年齢幅が広いですが、あくまで割合で見ていきますのでご了承ください。

推計患者数の年代別割合で見ると、若者と定義(20~35歳未満)した年代では0.6%、それ以上の年代では0.12%という結果です。

気分障害を抱えやすい年代という見方をした場合、35歳以上の年代の方のほうが治療を受けている割合が多いという結果となっています。

各年代ごとの時代背景と思考

ここでは、各年代ごとの時代背景と思考の特徴について考えます。

当然考え方や性格は人それぞれなので、年代ごとに一括りにしてしまう考え方は危険ですが、年代ごとに一般的に言われている特徴についてまとめた上で考察していきます。

団塊の世代

団塊の世代は、現在の70歳くらいの年代を指しています。
1947年〜1949年生まれを、一般的に団塊の世代という言い方をしていますね。

終戦直後に生まれ、日本がもっとも厳しい時期に育った子供達なので、逞しさがあります。第一次ベビーブーム期の子供で、かなりの人口が該当します。

学生運動などが盛んに行われ、現在の若年層に比べ、政治や社会に対しての参加意欲が高かった世代です。社会人年齢になると、人口が多いため就職や出世などでは同年代が多く、競争意識を強く持った世代です。競争相手がたくさんいたので、頑張らないと報われない、頑張った人しか報われないという思考が強いと言えます。

しらけ世代

しらけ世代は、現在の60代を指します。
1955年前後の生まれです。

日本の経済回復とともに育ち、個人主義的考えが強かった世代とも言われています。この頃から、進学率が増加し、偏差値による比較差別化が活発になり始めた世代と言われています。そのため、集団の中で自分がどのポジションにいるのか、集団の中で自分がいかに好成績を保てるかという考えが生まれ始め、集団協調よりも個人の結果という考えが根強かったと言われています。この個人主義に関連して、三無主義「無気力、無関心、無責任」とも言われ、個人の結果重視の思考が強かったことが想像されますね。

新人類世代

新人類と言われたのは、今の50代の方々です。1960年代生まれの世代ですね。

思春期は好景気に恵まれ、バブル経済絶頂期に社会人になった世代です。

好景気下で育ったということもあり、消費意欲があり、自信に満ちていて楽観的な世代であると言われています。好景気ということもあり比較的就職がしやすかった年代でした。当時は、新人類と言われながらも、「忍耐力がない」「常識が通じない」などと世間から揶揄された世代でもあります。

主観ですが、「最近の若い人は・・・」と揶揄するのも、この世代の方が多い気がしますね。

団塊ジュニア世代

団塊ジュニア世代と言われるのは、現在の40代の方々です。団塊の世代の方々の子供たちですね。

この頃は、第二次ベビーブームとも言われました。
団塊ジュニア世代の方々が社会人になる頃は、バブル崩壊後の景気後退局面により企業は求人活動に消極的となり、非正規雇用なども増加しました。
俗に言う「就職氷河期」と言うものです。

厳しい時期に社会進出をした年代ということもあり、危機意識が強く、野心的でメンタルの強い世代とも言われています。

ゆとり世代

ゆとり世代は1987年以降に生まれた、現在の20代〜30代前半の世代を言います。
多くは新人類世代の子供たちということになりますね。

バブル崩壊期に生まれ、不景気下で幼少期を過ごした世代です。

詰め込み教育からの転換期に学校教育を受け、この世代で現在の教育方針に転換が図られました。それはゆとり教育と言われ、そこからゆとり世代と言われるようになりました。今日ではゆとりという言葉はこの世代を揶揄する代名詞となってしまいました。

ゆとり世代は、不景気下に育ったためか、欲が少ない人が多いのが特徴です。
消費意欲が少なく、出世意欲も少ない世代です。
少子化により、同年代の競争力が小さかったため、我こそはという自己主張がない世代ですね。
働き方改革などの影響も強く受け、ワークライフバランスの重視や仕事以外のコミュニティーを重視する傾向が強く、仕事においても打算的・逆算的な思考を持つ人が多い世代です。
SNS時代の影響も強く、携帯・スマホの普及率増加により、SNSによるコミュニケーションの多様化を背景に、広い繋がりや共感を重要視しがちです。

今の若者はメンタルが弱いのか?についての考察

これまで挙げてきた視点から、若い人=メンタルが弱いのか?という疑問について考察していきます。

ストレスチェックの結果から

ストレスチェックテストの結果では、30代>40代>20代の順で高ストレス状態の人が多いという結果でした。

割合に極端な差はなく、その差2〜3%程度です。

60代の割合が7%と低かったのは、役職や地位による影響があるものと考えます。

高ストレス状態にある人の割合に大きな差がないため、若者だからストレスを感じやすいとか大してストレスを感じていないのに?
という考え方は誤りだと判断できますね。

置かれた環境も、立場も、とるべき責任も年代ごとに異なって当然なので、ストレスの内容には大きな差が生じる可能性があるとはいえ、ストレスチェックテストの結果からは、メンタルが弱いという判断はできませんでした。

うつ病の患者調査から

2017年のうつ病患者総数は、34〜64歳の年代でのボリュームが最も大きい結果でした。

人口的な分母に差があるので、年代別の推計患者数からの人口割合を比較した結果を見ても、15〜34歳では0.6%、34〜64歳では0.12%という結果となっており、うつ病の発症割合は若者の方が少ないという結果です。

この結果から、若者は高ストレス状態である割合が他の年長者と同程度以上であるにもかかわらず、うつ病の発症者数は少ないということがわかります。

結果

ストレスチェックおよび患者調査の結果から考えて、
若者=メンタルが弱いという見方はできません。

個々で考え方の違いや忍耐力にも差があるので、一概には言えませんが、若い人は多少のストレスで潰れてしまうという考えは誤りであると言えます。

ではなぜ若い人=メンタル弱い
となってしまうのか?

それは過ごしてきた時代背景や価値観・経験値による差であると考えます。

世代ごとでの特徴の差

年功序列制度が抜け切らない現在の日本企業における役員や管理職は、しらけ世代・新人類世代が大多数を占めていると思います。

この世代で活躍している人は、終身雇用の意識が強く、競争力の激しい中を勝ち残ってきた方々です。

逆に、ゆとり世代の若者たちは、終身雇用への意識が小さく、競争意識もない世代です。出世欲がない人も多数いるので、会社の中から見ればやる気が足りないとか、粘りが足りないという見られ方があるかもしれません。

仕事だけを大事にする世代ではないので、仕事一筋でやってきた人からすれば物足りなさを感じるのも当然です。

まとめ

  • 若者=メンタルが弱く潰れやすいは間違い
  • あくまで価値観や人生観の差

SNSによるコミュニケーションの多様化により、若者世代には「個」を重視する考え方も浸透してきています。

一括りに考えるのではなく、個として接し、理解し合うことこそ重要です。

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