仕事の悩み

【働き方改革に取り残された建築業界】長時間労働の実態と背景

yuu(ゆう)

こんにちは。
yuu(@yu_yu211)です。

今回は建築業界の労働時間に関する話です。
働き方改革に取り残された建築業界の長時間労働の実態と背景というテーマでお話していきます。

働き方改革がかなり定着してきた昨今ですが、建築業界では未だに対応できずにいる企業がたくさんあります。

建築業界=長時間労働

というイメージは昔からあります。

建築業界は昔から3K(きつい・危険・汚い)とも言われ、揶揄されてきた部分があります。
これは、建築業界で働いている人であればほとんどが実感していることでしょう。

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現場作業員として働く人の労働環境は、
今でも3K(きつい・危険・汚い)のイメージがあるよね。

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建築業界と関わりがなくても、
建築業界ってなんかきつくて大変なんだろうなって思う。

建築業界の中でも特に設計と現場監督は過酷な仕事です。
離職率も高く、ストレスを溜め込みすぎて心を病んでしまう人もいます。

今回は、そんな建築業界の労働時間の問題について、私自身のことも交えながら考えていきます。

建築系メーカーと建築設計事務所で働いたリアルな労働時間

建築業界は長時間労働だ!
とだけ言われても、長時間労働って実際どれくらいなの?

と思われるかもしれません。

私の場合は、建築系メーカーの営業設計事務所で設計の仕事を経験していますが、実際の労働時間は以下のような感じでした。

建築系メーカー(営業)時代の労働時間

始業時間 8:30〜
終業時間 17:30
退社時間 22:00〜0:00
備考 完全週休二日制ですが、土曜は仕事が終わらず基本的に出勤。

設計事務所(設計職)時代の労働時間

始業時間 9:00〜
終業時間 18:50
退社時間 23:00〜2:00
備考 完全週休二日制ですが、仕事が片付かないので基本的に土日も出勤。

労働時間や休日出勤に関しては、個人の能力や職場での人間関係も絡んでくるので一概には言えませんが、実体験と同僚の労働環境を踏まえれば、長時間労働であることは間違いないです。

建設業では週休1日が当たり前?

建築業界はとにかく休みにくい業界として有名です。

体感的に、私の周りではゼネコンの休日は基本的に日曜日のみ
一部の会社では隔週で土曜日休みという企業もあります

一方で設計事務所等の内勤技術系の仕事においては、週休2日制を掲げている企業がほとんどですが、実態としては土曜日は仕事をしているという人がほとんどです。

アンケート調査結果から見る建築業界の休日事情

2015年と2020年に発表された、日建協(日本建設産業職員労働組合協議会)実施のアンケート結果を引用してみていきます。

以下の画像は、2015年の休日に関するアンケート結果をグラフ化したものです。

出典:2015年時短アンケートの概要|日本建設産業職員労働組合協議会

建設・土木業全体の64%が週休1日制という実情にありました。
建築工事業においては73.6%もの割合で週休1日です。

2015年時点では、週休2日制が当たり前の世の中でしたので、建築業界は世の中の当たり前に追いつけない状況にありました。

そして、以下の画像は2020年の休日に関するアンケート結果をグラフ化したものです。

出典:2020年時短アンケートの概要|日本建設産業職員労働組合協議会

グラフの体裁が違うので比較しづらいですが、2015年当時と比較すると休日取得日数は増えていることがわかります。

このデータは、2020年11月の休日取得日数を調査したものです。
2021年11月は土日祝日の日数が11日間ありました。

全体平均としては、取得日数が9.8日なので、週休2日以上は休めているということになります。
2015年当時と比較しても、働き方改革へ対応する様子が伺えます。

内勤よりも外勤の方が圧倒的に休めていない状況は変わらず、やはり工事現場で働く人の労働環境の改善は難航しているとも考えられます。

減らない残業時間

建築業界はとにかく残業が多いイメージが払拭できていません。
働き方改革が加速する昨今、建築業界への影響は出てきているのでしょうか?

アンケート調査結果から見る建築業界の残業事情

ここでも、日建協のアンケート結果資料をもとに考えていきます。

以下の画像は、2020年の所定外労働時間に関するアンケート結果をグラフ化したものです。

出典:2020年時短アンケートの概要|日本建設産業職員労働組合協議会

全体平均としては、月に30時間未満か多くても45時間未満の残業時間となっている割合が50%以上で、グラフからは年々残業時間が減少していることが伺えます。

しかし、外勤の部分(現場監督など)では、年々改善傾向にはあるものの、月に60時間以上残業する割合が50%程度あり、過酷な労働環境が想像されます

私の周りの現場監督たちも、土日出勤当たり前で、夜22時以降まで働いている人が珍しくありません。

なぜ建築業界は休日が少なく長時間労働化するのか

過労死問題等が世間的に大問題となり、働き方改革が加速している一方で、建築業界は働き方改革で遅れをとっています。

そもそもなぜ建築業界は長時間労働の上に休日も少ないのか?

それには以下のような要因があります。

スケジュールのコントロールが難しい

建築という仕事は、基本的に長期化します。

住宅を建てるのにも、お客さんに相談をもらってから実際に住宅が完成するまで、どんなに早くても半年から1年かかります。
そのうち設計期間が3ヶ月程度で工事期間が3ヶ月〜半年程度です。
これは規模にもよります。

これだけの長期間お客さんと関わるので、設計中でも要望がコロコロ変わります。
当然高いお金を払って建物を建てるわけなので、お客さんには妥協して欲しくないし、仕事をする側としても妥協したくない。
基本的に建築業界はこういったスタンスなので、初めは余裕があった工程もだんだん余裕がなくなっていきます。

そのため、残業や休日出勤をしてでも仕事をして、次にバトンを繋いでいかなければならない状況が発生します。

建築工事が始まると、ゼネコンや工務店が主体となって工事を進めていきますが、ここでも、天候という最大の敵が待ち構えています。
悪天候の中ではできない工事もあるので、現場監督は常に天気予報と睨めっこです。
どんなに悪天候が続いても、基本的には工期内に建物を完成させなければいけません。

この皺寄せが、休日の工事や残業を招いてしまったりします。

そもそもやることがいっぱい

建築業界の仕事と言って誰もが思い浮かぶのは、設計と工事ですよね。

設計の仕事では建物をデザインする他にも、構造を考えたり設備について考えたり、一つの建物を造るのに何十枚も図面が必要になります。

そしてそれぞれについて守らなければならない法律が存在しているので、細かく擦り合わせをしていかなければなりません。

工事が始まったら、現場が適正に工事を進めているか監督者として監理し、記録しなければなりません。

現場監督の仕事では、下請け業者の調整や管理、工程の作成や調整、現場記録の作成など、工事を円滑に進めるための膨大な事務的作業があります。

これに加えて、社内的な事務作業も加わってくるのでかなり大変です。

公共工事などの現場に携わる場合は、工事写真の管理や報告書の作成がより細かく求められるので、そういった作業はその日の工事が終わってから事務所にこもって行うことがほとんどです。

長く働くことにはメリットもある

建築という仕事は規模が大きい仕事であるが故に、責任も重く、一つの仕事にかかる時間も関わる人間も膨大です。

特に設計者や現場監督は建物により長く関わらなければならないので、常に法律を意識し、守らなければなりませんし、そういった現場において責任を持って仕事をするということは、膨大な知識と経験が求められます。

成長=正しい努力×かけた時間

です。

仕事で成長したいと思ったら、時間をどれだけかけるかということも重要な要素になるので、仕事に時間を費やすということも重要なことではあります。

仕事に時間をかけた分、経験が蓄積されて慣れてくるので、徐々に仕事が楽になってきます

しんどい時は休んだ方が良い、無理だと思ったら辞めたって良い

建築業界で働くのは過酷です。

中には超ホワイトな企業が存在するのも事実ですが、大多数はかなり厳しい環境の中頑張っている企業ばかりです。

建築業界で働くのであれば、労働環境とうまく付き合っていかなければなりません。

労働者である以上、自分の体が資本

仕事をしていると様々なプレッシャーから、目先の仕事をとにかく終わらせないといけないという強い使命感に駆られます。
建築業界ではこの使命感を強く持って仕事をしている人が非常に多い。

会社としてはやるべき仕事を全うしてもらわないと困るかもしれませんが、限界を超えてまで働くのはNGです。

労働者にとっては自分の体が資本です。
それは会社にとっても変わらないことのはずです。

無理をして体を壊したり、心を壊したり、それによって重大なミスをしてしまう前に、正直に自分の状況を受け止めて休む、助けを求めることも大切です。

無理し続けて体や心を壊すくらいなら辞めても良い

休んだほうが良いと言われてもそんな状況じゃない。
代わりに仕事をしてくれる人なんていない。

という人も結構いると思います。

思い込みやプライドではなく、会社と相談しても無理を強いられるような状況であれば、無理が祟って働けなくなるほど体や心を壊す前に辞めるという選択肢も視野に入れた方が良いです。

また、自分の中で辞めるポイントを設けておくと、意外と気持ちが軽くなったりします

すると割り切って仕事ができるようになるので、仕事を重く捉えすぎないことも重要です。

会社に言っても辞めさせてもらえない人は『退職代行』もアリ

「会社辞めたいけど話を切り出せない」
退職を切出しにくい職場環境に悩んだり
辞めづらい状況で話を切出せずにいる人は
『退職代行』の利用もおすすめ

『会社に退職の意思を伝えたのに、辞めさせてもらえない』
という状況で悩んでいる人も多いはず。

辞められない状況でストレスを抱え、
心身を壊してしまう前に、
退職代行を利用するのはアリです。

『退職代行』サービスは、
25,000〜30,000円程度で利用できます。
仮にうつ病等を発症してしまった場合、
毎回5,000円程度の治療費を払って、
半年〜1年位の通院が必要になります。

例えば、【退職代行ガーディアン】は、
29,800円で利用でき、
全国47都道府県どこでも対応しています。

2ちゃんねる創設者で論破王としても有名な
ひろゆき氏も場合によっては『退職代行』の利用を推奨しています。

転職は常に意識しておく

厳しい労働環境の中で、少しでも気楽に仕事に向き合うための方法として、常に次の転職先を考えておくということも割と有効です。

先が見えない状況で仕事を辞めるのは結構勇気が要ります。
精神的に疲れた状態では、将来に対する不安を抱えたまま仕事を辞めるというアクションが起こせなくなったりします。

転職先をあらかじめ考えておくことで、
いざというときの備えになりますし、
いつでも辞める準備ができているという気持ちになると、
不思議と今の仕事に対するストレスも軽減されたりします。

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